建築空間におけるコロナウイルス対策に関する最新情報

コロナ禍によるロックダウンからの業務再開や通常営業に際して、世界中の関連機関が安全な建物の使用や維持管理に関して、様々なレポートやガイドラインなどを発表しています。状況は現在も進行中であり、今後新しい発表や改訂は随時なされると思われますが、現時点において有用で信頼性の高い情報と考えられるものを纏めました。皆様の参考にして頂けると幸いです。

空気調和・衛生工学会 「空調・換気によるCOVID-19の拡散はあるのか?」(2020年6月15日発表)
http://www.shasej.org/
空調・換気設備によるウィルス拡散のリスクとその抑制方策について紹介。適切な換気量の確保と換気経路におけるフィルタ設置の重要性について説明されている。

WELL Health-Safety Rating (2020年6月8日発表)
https://www.wellcertified.com/health-safety
WELL認証制度を開発しているIWBI(International WELL Building Institute)では、COVID-19後の建築環境において、ビルの運用や維持管理に当たる人々が、建物内でのウイルス拡散防止のための適切な取組みや計画を実施しているかを評価する、Health-Safety Ratingを開発した。清掃方法や従業員の健康を支えるプログラム、空調設備や給水設備に関する取組みなど、21項目から成る評価システムであり、基準を満たす場合には、ビルにマークを表示することができる。

AIA(アメリカ建築家協会)”Re-occupancy Assessment Tool V2.0″ (2020年5月28日発表)
https://www.aia.org/resources/6292441-re-occupancy-assessment-tool
建物の使用再開に当たり、建物利用者がCOVID-19への感染リスクを低減するために、設計者や建物利用者などが考慮すべきポイントとチェックリスト形式でまとめた評価ツール。ツールの構成はCDCによる職場のリスクコントロールのためのフレームワークに準拠しており、検討すべきポイントが簡潔にまとめられている。

CIBSE(英国公認建築設備技術者協会)”COVOD-19 Ventilation Guidance” (2020年5月12日発表)
https://www.cibse.org/coronavirus-covid-19/emerging-from-lockdown
オフィス空間における業務再開に向けた換気対策のガイドラインであり、自然換気、機械換気の種別ごとに推奨される運用管理上の取組みを紹介している。

ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)”ASHRAE Position Document on Infectious Aerosols” (2020年4月14日発表)
https://www.ashrae.org/technical-resources/resources
建物所有者、ビル管理者、技術者に向けたCOVID-19の空気感染防止のための留意点について、研究資料や根拠資料の確度と共に、具体的な取組みについて言及している。

REHVA(欧州空調換気設備協会)”COVID-19 guidance document” (2020年4月3日発表)
https://www.rehva.eu/activities/covid-19-guidance
オフィス空間におけるコロナウイルス拡散防止のための運用管理上の注意点について、換気方法や換気量、熱交換器、温湿度設定、フィルター等に関する対策が具体的に紹介されている。

上記資料に関するご質問等がありましたら、お問合せ先までご連絡ください。